5月31日は「世界禁煙デー」/厚生労働省ホームページ
■喫煙による健康影響
喫煙はがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。
また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。
■若者の健康と喫煙
2022年4月1日から成年年齢が引き下げられた一方で、喫煙に関する年齢制限については引き続き20歳以上とされています。
喫煙開始年齢の早さと全死因死亡には十分な因果関係があることが報告されていて、青少年期に喫煙を開始すると、20歳以降に喫煙を開始した場合に比べて、がんや虚血性心疾患などの危険性がより高くなります。17歳以下で喫煙を開始したグループでは20歳以降で喫煙を開始したグループに比べて、肺がんリスクが男性は1.48倍、女性は8.07倍高いことが分かりました。
■妊娠出産などへの影響
早産、低出生体重・胎児発育遅延などが挙げられます。また、生殖能力低下、子宮外妊娠、常位胎盤早期剥離、前置胎盤を引き起こす可能性が指摘されています。さらに、妊娠中においては妊婦本人の喫煙(能動喫煙)だけでなく受動喫煙であっても、乳幼児突然死症候群の要因となることが確実視されています。一方、禁煙により胎児発育が改善する、つまり喫煙者にとっては低出生体重の予防に禁煙が有効であることを示す研究結果も報告されています。
■加熱式たばこの健康影響
加熱式たばこは、紙巻たばこに比べるとニコチン以外の主要な有害物質の暴露量を減らせる可能性がありますが、たばこの健康影響には安全域がなく、たとえ少量の有害物質にさらされても影響が出るので、病気のリスクが減るとは言えません。また、禁煙効果は明らかではなく、禁煙意欲を低下させたり、禁煙試行時の禁煙治療の選択を妨げる可能性があるため、ニコチン依存が継続するという問題があります。
■受動喫煙による健康への影響
喫煙者が吸っている煙だけではなくたばこから立ち昇る煙や喫煙者が吐き出す煙にも、ニコチンやタールはもちろん多くの有害物質が含まれています。本人は喫煙しなくても身の回りのたばこの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙と言います。
受動喫煙との関連が「確実」と判定された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患について、超過死亡数を推定した結果によると、わが国では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡しており健康影響は深刻です。
受動喫煙による肺がんのリスクは1.28倍、虚血性心疾患のリスクは1.3倍、脳卒中のリスクは1.24倍とされています。さらに受動喫煙は子どもの呼吸器疾患や中耳炎、乳幼児突然死症候群を引き起こすことが指摘されています。また、妊婦やその周囲の人の喫煙によって低体重児や早産のリスクが上昇します。
受動喫煙を防止するための取り組み
2018年7月、健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月から全面施行となりました。
望まない受動喫煙を防止するための取り組みは、マナーからルールへと変わりました。- 多くの施設において、屋内が原則禁煙になりました。
- 20歳未満の方は、喫煙エリアへ立入禁止になりました。
- 屋内での喫煙には、喫煙室の設置が必要になりました。
- 喫煙室には、標識掲示が義務付けになりました。
■禁煙の効果
禁煙による健康改善は若年で禁煙するほど効果がありますが、何歳であっても遅すぎることはありません。45歳まで、特に35歳までに禁煙すれば、総死亡リスクがもともと喫煙しなかった人と同様のレベルまで改善することがわかっています。
そのほか、禁煙すると顔色や胃の調子が良くなったり目覚めがさわやかになるなど、日常生活の中で実感できる色々な効果があります。
■今こそ卒煙を
「禁煙デー」をきっかけに、自分と周りの人のために禁煙や受動喫煙について考えてみましょう。禁煙外来のある医療機関を利用することができます。四街道市と近隣市の情報をまとめたホームページがありますので、ご参照ください。
■関係リンク
千葉県たばこ対策について