更新日:2022年3月15日
麻しんウイルスの空気感染・飛沫(ひまつ)感染・接触感染によって起こります。
感染力が強く、予防接種を受けないと多くの人がかかり、大流行する可能性があります。高熱、せき、鼻汁、眼球結膜の充血、めやに、発疹(ほっしん)を主症状とします。最初3~4日間は38℃前後の熱で、一時おさまりかけたかと思うと、また39~40℃の高熱と発疹が出ます。高熱は3~4日で解熱(げねつ)し、次第に発疹も消失します。しばらく色素(しきそ)沈着(ちんちゃく)が残ります。
主な合併症としては、気管支炎(きかんしえん)、肺炎、中耳炎(ちゅうじえん)、脳炎があります。脳炎は約1,000人に1~2人の割合で発生がみられます。また、亜急性(あきゅうせい)硬化性(こうかせい)全脳炎(ぜんのうえん)(SSPE)という慢性に経過する脳炎は、麻しん患者約10万例に1~2例発生します。
麻しんは、医療が発達した先進国であっても、かかった人の約1000人に1人が死亡するとても重症の病気です。
風しんウイルスの飛沫(ひまつ)感染によって起こります。潜伏期間は2~3週間です。軽いかぜ症状ではじまり、発疹(ほっしん)、発熱、後頸部(けいぶ)リンパ節腫脹(しゅちょう)などが主症状です。そのほか眼球(がんきゅう)結膜(けつまく)の充血(じゅうけつ)もみられます。年長児や成人では関節炎の頻度が高く、予後は一般に良好ですが、血小板減少性紫斑病(しはんびょう)や脳炎の合併を認めることがあり、まれに溶血性貧血も見られます。大人になってからかかると重症になります。
妊婦が妊娠初期にかかると胎児に感染して、先天性風しん症候群と呼ばれる心臓病、白内障(はくないしょう)、聴力障害、発育発達遅延などの障害を引き起こす可能性が高くなります。一生大変な思いをします。このような病気にかからないよう、予防接種をすませておきましょう。
1~2歳になると、かかる子どもが急に増えます。男の子も女の子も受けることになります。お母さんが妊娠中にお子さんが予防接種を受けても、接種を受けたお子さんからお母さんに風しんウイルスが感染した例はありませんので、心配はありません。
主なものは発熱と発疹です。
接種後の37.5℃以上38.5℃未満の発熱は1期で約6.0%、2期で約2.5%でした。38.5℃以上の発熱は1期で約10.6%、2期で約3.4%でした。発疹は、
1期で約4.3%、2期で約1.0%にみられます。
他の副反応として、注射部位の発赤(ほっせき)、腫脹(しゅちょう)(はれ)、硬結(こうけつ)(しこり)などの局所反応、じんましん、リンパ節腫張、関節痛、熱性けいれんなどがみられます。これまでの麻しんワクチン、風しんワクチンの副反応のデータから、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳炎、けいれんなどの副反応がまれに生じる可能性もあります。
麻しんウイルス及び風しんウイルスを弱毒化してつくったワクチンです。
1歳から2歳の間に麻しん又は風しんにかかる可能性が高いので、1歳になったらなるべく早く1期の予防接種を受けるように努めてください。
2歳までに1期の予防接種が受けられなかった場合は、早めに健康増進課にご相談ください。なお、生後12カ月未満に麻しん及び風しんのワクチン接種を受けた場合には、第1期予防接種の対象年齢である1歳になった時に、定期の予防接種を受けてください。
4月から6月の間に受けることが望ましいとされています。予診票は接種時期に個別で郵送します。
麻しんと風しん両方にかかったお子さんは接種対象外です。麻しんまたは風しんのいずれかにかかったお子さんは、麻しん風しん混合(MR)ワクチンを使用することが可能とされています。
なお、病気の治療、予防などのためガンマグロブリン製剤の注射を受けたことがあるお子さんについては、かかりつけ医と相談してください。