更新日:2020年4月1日
都市計画道路3・3・1号山梨臼井線第1工区は、現在の「波乗り道路」と呼ばれている現道部(げんどうぶ)と並行した形で整備することから、地域の生活道路との取り付けや、住宅地など沿線の生活環境と地域住民の意見を考慮したコントロールポイント(※1)を設定し、設計検討を行ったうえ、縦断線形(※2)、道路構造等を決定しました。
また、みそら団地東南端(とうなんたん)から国道51号へ向かって、約190メートルが幅広い谷津田部となっており、計画道路の縦断線形から道路高が最大で13メートル高くなるため、盛土(もりど)案と橋梁案で比較検討を行いました。盛土(もりど)案では、地域の生活道路が分断されること、軟弱地盤のうえ大量の土量(どりょう)が必要なこと、工事期間が長期化するとともに仮設道路の切り返しなど円滑な交通に支障が出ることなどのデメリットがありました。
橋梁案では、地域の利便性、土量(どりょう)バランスや工事期間、施工性、経済性、環境性などで盛土(もりど)案より優れているため、幅広(はばひろ)の谷津田部を橋梁で結ぶ設計で決定しました。
なお、「移動等円滑化のために必要な道路構造に関する基準」により、高齢者や障がい者等の移動を考慮し、縦断勾配は最大5%で設計しています。
道路を新設するに当たり、交差する道路や沿線の住宅及び隣接土地利用などの地域生活に支障を及ばせないことなどを配慮して、道路構造令(注)の技術的基準に照らし、総合的に判断し設定しています。
注 道路構造令とは、道路の構造の一般的な技術基準を定めたものであり、当該道路の存する地域の地形、地質、気象その他の状況及び当該道路の交通状況を考慮し、安全かつ円滑な交通を確保することを目的として定められています。
道路の高さが違う2点を結ぶとき、その間の道路は勾配を持つことになり、これを縦断勾配といいますが、3・3・1号山梨臼井線は、道路構造令から4種1級の道路種別のため、縦断勾配は5%以内となります。このように2点の違う点を結んだものが縦断線形と呼ばれています。
都市計画道路3・3・1号山梨臼井線の、みそら団地から国道51号までの区間は、平成7年に標準幅員22メートルの道路として都市計画決定されました。
平成20年度に山梨臼井線1工区の事業化に当たり、国庫補助金を導入するための一つの要件として費用対効果の検証が必要なため、費用便益比(※1)算定の基礎となる将来交通量推計を行いました。
調査では、平成17年度の道路交通センサス(※2)を基に交通量を推計し、将来交通量は1日(いちにち)当たり12,000台を超えることから、道路構造令では4種1級道路(※3)の区分となり、これらの交通を円滑に処理するために4車線の道路が必要となります。
なお、費用便益比は1.84の数値となり、国土交通省より国庫補助事業の同意を得て事業化に至っています。
平成7年10月3日都市計画決定 みそらから国道51号間(標準幅員22メートル)
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平成20年度将来交通量推計16,900台から32,100台
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4種1級道路(道路構造令の区分)車線数4
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費用便益比1.84
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国土交通省より国庫補助事業の同意
道路事業を行うことによって得られる効果として、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少を便益として数値化し、工事費や維持管理費などの全体経費で除した値
費用便益比が1.0を下回ると費用対効果が低いと判断されるが、1.0以上で大きい数値では、より効果が高いものとされる。
国土交通省が概ね5年毎に全国の道路交通量を調査し、都市計画などに広く利用される。
都市部の県・市町村道で一日当たりの計画交通量が10,000台以上の道路
全長 | 5,200メートル |
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標準幅員 | 22メートル |
区間 | 千代田3丁目~国道51号 |
供用開始延長 | 約1,450メートル |
供用開始区間 | 千代田団地約750メートル、もねの里団地約350メートル、みそら団地約350メートル |
区間 | 延長 | 事業主体 |
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みそら~中台地先 | 940メートル | 市 |
中台地先~国道51号 | 840メートル |
成台中(なりだいちゅう)土地区画整理組合 |
千代田~東関東自動車道 | 523メートル | 都市再生機構(一部供用開始) |
用地買収予定面積 | 22,090平方メートル |
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用地取得面積 | 14,955平方メートル 取得率 68パーセント(平成23年度末) |
文化財調査 | 5,442平方メートル(平成24年度完了予定) |
橋梁詳細設計 | 平成24年5月委託業務発注 |
地質調査 | 平成24年5月委託業務発注 |
(回答)
県では国の定める道路構造令が、道路を使用するうえでの安全性を確保するため、最低限保持すべき基準であり、これを緩和することは交通安全上好ましくないと判断し、道路構造令と同様の基準を定める条例が平成24年6月県議会において可決され、25年4月1日から施行されることとなりました。
市内には、国道1路線と県道が4路線あり、それぞれが都市計画道路と接続しています。
また、都市計画道路3・3・1号山梨臼井線は、千代田団地内の4車線の県道と約750メートル重複しており、国道51号とも接続する道路です。
このため、道路構造の技術的基準は国道・県道と同一のものでなければ円滑な交通や安全性を確保することができないことから、県の条例と同様の基準を定める方向で検討しています。
(回答)
3・3・1号山梨臼井線は、主要幹線道路として、市街地中心部の混雑を緩和し、市街地間を連絡するとともに、四街道インターチェンジにアクセスするネットワークを形成する路線です。
また、地域の防災の向上を図る機能を有しています。
県が平成23年度に行った将来交通量推計によると、みそら団地から国道51号(1工区)までが、1日(いちにち)当たり13,100台、物井地区からみそら団地(2工区)までが1日(いちにち)当たり22,900台と推計されました。
県が定めた県道の構造の技術的基準では、4種1級の道路では1日(いちにち)当たりの設計基準交通量が12,000台を上回った場合には4車線と定められています。
(回答)
市の道路は、JR線路により南北間に分断されており、災害などにより踏切が遮断された場合は、救急車や消防車などの緊急車両出動に支障をきたす恐れがあります。
都市計画道路3・3・1号山梨臼井線はJR線の南北を立体交差(橋梁)で結ぶことから、災害発生などで踏切が遮断されたり、道路が冠水したりしても、南北間が分断されることはありません。
さらに4車線道路では、事故や車両の故障などで1車線が通れなくても、もう1車線が通行できるため、災害時のアクセス道路として機能することになります。