更新日:2023年4月26日
まちに住む人々の日常生活の姿を発信し、四街道の魅力を伝える「まち撮り四街道」。
「まちのスポットライト」では、身近な人物にスポットライトをあて、地域での活動を応援していきます。
(市政だより四街道 令和5年5月1日号)
花と緑のまちづくり
花とみどりを愛するネットワークは、地域の憩いの場の提供と地域交流の活性化を目的にガーデニングの情報交換やオープンガーデンなどの活動をしている。
代表の深澤典子さんは、10年前、めいわ地区に家を建てたことをこう語る。
「この場所に一目ぼれしたんですよ。まち全体に花や緑があってきれいな所がいいなって思って探していたので、理想通りの場所だったんです」
引っ越し後は庭を整え、オープンガーデンに協力してくれるネットワークのメンバーを募り、平成26年から自宅の庭を使ったガーデンコンサートを始めた。
平成29年度コラボ四街道へ応募。資金面も魅力的だったが、この応募が事業を見つめ直すきっかけにもなった。「みんなで地域づくりセンター主催のコラボ塾に参加しました。参加者同士が意見交換する中で、私たちには地域に対して何ができるのかという視点が足りていないと気付いて、企画を大幅に作り直したんです。コーディネーターや参加者からのアドバイスがあったからこそ、地域密着型の活動として、長く続けられる力になったと思います」
コラボ四街道で地域とつながる
コラボ四街道の採択をきっかけに新聞や地域情報紙の取材を受け、多くの人に事業を知ってもらうこともできた。その縁で、市内でオープンガーデンをしている人とつながったり、オープンガーデンを始めたいと相談を受けたりするなど、地域での横のつながりが広がっていった。
「花が好きっていうだけで、会話が弾んで友達になれるの。四街道にはガーデニングが好きな方も多いし、すてきなお庭がたくさんある。もっと市内でオープンガーデンが活発になっていけば、県外からツーリズムで多くの観光客が来るかもしれませんね。花とみどりの美しい街、四街道ってすてき!」深澤さんは目を輝かせる。
平和を祈る調べ
同ネットワークでは5月のバラが咲き誇る頃に、メイン事業となるガーデンコンサートを実施している。コロナ禍で2年ほどは止まっていたが、昨年から再開した。
昨年は、若手の器楽演奏だけでなく、深澤さんがウクライナ人の演奏者に直談判した結果、四街道から戦時下のウクライナに向けての平和祈念コンサートが実現した。
当日は約90人の参加者が、バラの咲き誇る庭で、ウクライナの民族楽器バンドゥーラの音色と歌声に聴き入った。
「多くの参加者が入場料だけではなく寄附をくれました。私たちは四街道にいながら、ほんの少しだけですが、戦争で苦しんでいる人たちのために貢献できたと思います」
集まった寄附金はウクライナの救援金として日本赤十字社に送られた。
花がつなぐ縁
メンバーはコンサートを重ねることで、年々交流の輪が広がっているのを実感している。
「多くの方が来るので、ご近所に迷惑をかけないように気を使っています。幸い、地域の方々も好意的で、ありがたく思います。自治会の方も自治会館からイスの運搬などいろいろ協力してくれるので感謝しています。私も地区のお手伝いだけでなく、今後は講師や司会など、自分の培ったスキルを地域に役立てることで、四街道にもっと恩返ししていきたいです」
バラの絵の太巻きずしを差し入れてくれる地域の人のほか、めいわ地区にあるイタリア料理店も毎年ケータリングに協力してくれている。
花いっぱいの街に
深澤さんは手入れの時に剪定した見事なバラの花を家の前に置いて配っている。夕方、帰宅すると無くなっているのがうれしい。今夜、地域の食卓に飾られるのだろう。
「バラ、今年もきれいですね」手入れで庭にいる時に地域の方が声を掛けてくれるのも、花がつなぐ縁だ。
バラの時期だけは散歩コースを変えて通る人、バイオリンケースを抱えた子どもも立ち止まって眺めていく。
「地域をきれいにすることは犯罪の抑制にもつながります。花や音楽を美しいと感じる感性は大切。子どもたちの豊かな心を育むために、花とみどりは決して欠かせないものだと思っています」
新緑の風が吹くバラのお庭で、若手器楽ユニットのApfel trio(アプフェル トリオ)(写真右)による生演奏や、最近注目のSDGs空き瓶キャップアーティストの作品展を行います。(演奏はYouTubeで配信予定)