第2回 市民参加手続の対象
更新:2024年4月5日
今回は市民参加手続の対象についてお話します。
市民参加を進めていく上で、どのような行政活動を対象とするかは、とても大切な問題です。市民参加の推進という見方からすれば、できる限り多くの施策や事業を対象とするのが望ましいですが、市民参加に要する時間や費用に対する効果などを考えると、あまりにも軽易なものまでを対象とするのは適切ではありません。また緊急性があり、時間的な制約で市民参加手続を行うことができない場合等もあります。
そこで、市民参加条例では対象となる行政活動を次のように定めています。
1.「市の基本構想、基本計画その他市の基本的な事項を定める計画の策定又は変更」
総合計画及び市の行政活動の個別分野における市の基本的な方針や政策等を定める計画が該当します(高齢者保健福祉計画、都市マスタープランなど)。
2.「市の基本方針を定める条例の制定又は改廃」
市民参加条例や、情報公開条例のような、市政全般にわたって適用される基本理念や方針を定める条例、環境基本条例のような個別行政分野における施策の基本的な方向性を定める条例が該当します。
3.「市民等に義務を課すこと又は市民等の権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃」
例として、公害防止条例、保育所における保育に関する条例、自転車等の放置防止及び自転車等駐車場の整備に関する条例等があります。
4.「大規模な市の施設の設置に係る計画の策定又は変更」
「事業費がおおむね5億円以上の市の建築物」をいい、市役所庁舎やごみ処理施設等が該当します。
5.「市民生活に重大な影響を及ぼす可能性のある制度」とは、市民に労力や負担を求めるため、理解と協力がなければ成り立たないような制度を導入、改正又は廃止することをいいます。例として、ごみの分別方法、通学区域制度等があります。
6.「行政手続条例に規定する審査基準、処分基準及び行政指導指針」
例えば、集会施設などの公の施設の利用申請に対して許可をするかどうかを判断するための基準や、営業許可の取り消す場合など市民に不利益な処分をする場合などにあらかじめ定めなければならない基準などをいいます。
以上が市民参加手続の対象となる行政活動です。こうした重要なものについては、皆さんの意見を聞くこととなっていて、これが市民参加条例の基本的な考え方となっています。(つづく)